2016-09-16

天皇・皇后両陛下にベトナムで行っていただきたい場所、それは”日本人墓地”!|ホイアン ベトナム

ホイアン日本人橋(来遠橋) Hoian-Japanese-bridge
2017年の春に天皇・皇后両陛下がベトナムを訪問される予定とのこと。是非行っていただきたいのはホアンキエム湖?水上人形劇?・・・いえ、私は間違いなく”日本人墓地”だと考えています。




元貿易の街、ホイアンに居た日本人の痕跡

ホイアン日本人橋(来遠橋) Hoian-Japanese-bridge2
ベトナムで観光や仕事と言えば、ハノイ、ホーチミン市、少し間を空けてダナンの3ヶ所を思い浮かべる人が多いと思います。

最後のダナンの街から車で30分ほどの距離にあるのが、日本人街で有名なホイアンです。

かつてのホイアンは海からの出入りが自由に出来る状態にあり、1600年頃あの有名な東インド会社を始め、中国人、日本人などなど複数の国籍を交えた貿易で栄えたそうです。

残念ながら日本との交易期間はそこまで長くなく、江戸時代の鎖国によって貿易自体が終了してしまったのだとか。

400年前の痕跡故に、火災等でほとんど全てが消え去ったしまったそうですが、今でも日本人が作った橋の部品が一部残ると言う来遠橋(日本橋)や、その地に残った人々の墓地がほんの少し残っています。

日本人ゼロ?!何故か誰も訪問しない日本人墓地

ホイアンの街角 Hoian-street
日本橋についてはあらゆるガイドブックやWEBサイトに登場するのですが、何故か詳しい情報に乏しいのが日本人墓地です。

地元でゲットした英語のマップに点が3つついていたのですが、大きい通りと通りの間に適当に打たれたもので、詳細が全く分かりません。

仕方が無く地元のガソリンスタンドやら通行人に聞くと「あっちだ」「こっちだ」とこちらの意図は通じているようです。

しかし思ったよりも複雑な路地が沢山あり、なかなか現場に辿り着けません。もちろん日本人の姿は皆無。あれだけ街中に居たのに誰も訪問しようとしないのか?(いや誰も訪問出来ないのか?)と不安が増していきます。




謎の2人組、ベトナム人墓地管理者が登場する

ホイアンの路地裏 Hoian Countryside
そんなこんなでウロウロしていると、バイクに乗った2人組(ちょっとイケイケなバイク)が少し遠くからこちらへ向かってきます。

指をまっすぐ向けながら「こっちだー!」とニヤニヤしています。どうやら我々の事を誰かが誰かに連絡してくれたようです。

とりあえずついていくと何やら農家の納屋なような建物と小道があります。2人組はバイクを降りると、長いお線香を持って小道を進んでいきました。

ベトナムのおじさん達が日本人のお墓を守ってくれていた!

ホイアンの日本人墓地 Japanese-tomb in Hoian Vietnam
小道が広がった先、そこには探して求めていた”日本人墓地”があったのでした。

驚くべき事におじさん達2人がこのお墓を管理していたのです。大分前に造られたのか劣化が目立ちますが、広い敷地内はとても綺麗。彼らがしっかり掃除をしてくれているのは明白です。

ニコニコしたおじさん達。早速お線香に火を点けると、我々にそれを手渡してくれました。恐らくは400年前に亡くなられた名前も知らない日本人。知らない相手でも船で日本からベトナムへ行く大変さを考えると、ついつい拝む手にも力が入ります。

まさかベトナムの人たちがこんなに外国人のお墓を大切にしてくれていたなんて思いもよりません。日本人が来た時に歓迎してくれるのも、本当に嬉しい事です。

お別れする時に片言のベトナム語で『あなた達で出会えてとても嬉しかったです』と伝えると、ハッと目を開けて喜んでくれたのがとても印象的でした。


今は飛行機で5時間もあれば到着してしまうベトナムですが、400年前の先駆者達が苦労して線を引いたからこそ今があるのだと思います。

観光地に行ってお墓参りなんて・・・と思うかもしれませんが、行ってみると何やら心が温かくなります。




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